目次
ログ監視とは
ログ監視は、システムやアプリケーションから生成されるログデータを監視し、分析するプロセスです。ログとは、システムやアプリケーションが動作する際に記録される情報のことを指し、エラーやトランザクション、システムの状態などさまざまなデータが含まれます。ログ監視を行うことで、システムのパフォーマンス問題、セキュリティ違反、障害の早期発見などが可能になり、システムの信頼性や安全性を高めることができます。
ログ監視のプロセスには、ログデータの収集、保存、分析、レポート作成などが含まれます。効率的なログ監視を実現するためには、適切なツールの選定が重要です。これにより、大量のログデータを迅速に処理し、有用な情報を抽出することが可能になります。
ログ監視の種類
ログ監視には様々な種類が存在します。ここでは7つのカテゴリに分けて説明します。
基本的なログ監視
基本的なログ監視では、システムログ、アプリケーションログ、サーバーログなどの基本的なログファイルを監視します。これらのログには、エラー、警告、システムの異常などの基本的な情報が含まれています。例えば、サーバーダウンの警告やアプリケーションのエラーメッセージなどが該当します。
リアルタイムログ監視
リアルタイムログ監視とは、コンピューターシステムやアプリケーションが生成するログを、実際の時間とほぼ同時にチェックし、分析する手順です。つまり、システムやアプリケーションが活動を行うたびに、その情報がすぐにログ監視システムに送られ、分析されます。
この種の監視では、ログデータが生成された瞬間にキャッチし、すぐに重要な情報や異常を検出することが可能です。これにより、問題や異常が発生した際には、直ちに適切な対応を行うことができます。
パフォーマンスログ監視
パフォーマンスログ監視は、コンピューターシステムやアプリケーションの性能に関連する情報を監視することです。この情報には、システムの応答時間、トランザクション処理の速度、リソース(CPU、メモリ、ディスクスペースなど)の使用状況などが含まれます。
この監視の目的は、システムのパフォーマンスが最適であるかを確認し、必要に応じて改善策を講じることです。例えば、あるプログラムが予想以上に多くのメモリを消費している場合、その情報をキャッチして問題を解決することが可能です。
セキュリティログ監視
セキュリティログ監視は、コンピューターシステムやアプリケーションのセキュリティに関連するログデータを監視し、分析する手順です。ここでいう「セキュリティログ」とは、システムへのログイン試行、ファイルアクセス、ネットワーク活動、システム警告など、セキュリティに関連するあらゆる活動の記録を指します。
この監視の目的は、不正アクセス、サイバー攻撃、システムの脆弱性などのセキュリティ上の問題を早期に検出し、それに対応することです。
アプリケーションログ監視
アプリケーションログ監視は、生成されるログデータを監視・分析することです。ログには、動作情報、エラーメッセージ、操作履歴、トランザクション情報などが含まれ、アプリケーションのパフォーマンス、安定性、セキュリティ状態を把握できます。
アプリケーションログ監視はパフォーマンスに影響を与える問題を特定し、修正し、ユーザーエクスペリエンスを向上させることもできます。また、不正な操作やセキュリティ侵害の試みを検出し、対策を講じてアプリケーションのセキュリティを強化できます。
クラウドログ監視
クラウドログ監視では、クラウド環境(AWS、Azure、Google Cloudなど)で生成されるログを監視します。クラウドリソースの使用状況や活動を追跡し、クラウドのコスト管理やセキュリティ監視に役立ちます。
クラウド環境では、仮想サーバー、データベース、ネットワークサービスなど多岐にわたるリソースが利用されるため、これらすべてから発生するログを管理することが重要です。
カスタマイズされたログ監視
カスタマイズされたログ監視は、特定のニーズに合わせて設計されます。特定のイベントや特定のパターンの検出、特定の条件に基づくアラート設定などが含まれます。これにより、特定のビジネス要件や運用要件に合わせた監視が可能になります。例えば、イベントのモニタリングやアラート通知、ログの可視化・検索機能などといった機能を入れることもあります。
SIEMツールとは
SIEM(Security Information and Event Management)ツールとは、組織のセキュリティ関連の情報やイベントをリアルタイムに監視、収集、分析し、異常や脅威を特定するツールのことです。
機能としては、ログデータの収集と分析、セキュリティインシデントの検出、警告、対応策の提供、コンプライアンスレポートの生成などがあります。
ネットワークトラフィックの異常検知、不審なログイン試行の警告、ランサムウェアやマルウェアの感染の早期発見などのシーンで活用されます。SIEMツールベンダーの世界シェアとしては、Splunk、IBM、Microsoftが、高いシェアを誇っていると考えられます。
参照:SIEMリーダー | Elastic Blog - The Cardinal SIEMsレポート
SIEMツールと統合ログ監視ツールの関係
SIEMツールと統合ログ監視ツールとの間には、包含関係があります。統合ログ監視ツールは、多くの場合、SIEMソリューションの一部として機能するか、またはSIEMの基本的な機能の一つと見なすことができます。
統合ログ監視ツールの役割
統合ログ監視ツールは、システム、アプリケーション、ネットワークデバイスなど、さまざまなソースからログデータを収集し、それらを一元的に管理・監視するためのツールです。
この種のツールの主な目的は、ログデータの集約、可視化、および基本的な分析を行うことです。セキュリティ以外にも、パフォーマンス監視やトラブルシューティングなどの目的で使用されます。
SIEMツールとIT資産管理ツールの関係
SIEMツールとIT資産管理(ITAM)ツールは、ITの管理において異なる役割を果たします。
SIEMツールはセキュリティインシデントの監視と警告に重点を置き、IT資産管理ツールは資産のインベントリ管理と最適化に重点を置いています。
両ツールはそれぞれ異なる目的と機能を持っているため、組織のITインフラストラクチャとセキュリティ体制の両方を支える上で、補完的な役割を果たします。
IT資産管理ツールの役割
IT資産管理ツールは、組織内のIT資産(ハードウェア、ソフトウェア、ライセンスなど)のライフサイクルを管理し、資産の最適化とコスト削減を目的としています。IT資産管理ツールベンダーの世界シェアとしては、Servicenow、Atlassian、Softwareoneが、上位を占めていると考えられます。
参照:IT資産管理(ITAM)サービスの世界市場:2023-2029年予測 - TOMORUBA (トモルバ) - 事業を活性化するメディア
まとめ
ログ監視は、システムやアプリケーションの健全性、セキュリティ、パフォーマンスを保つために必要です。主な種類には、パフォーマンス、セキュリティ、アプリケーション、クラウド、カスタマイズされたログ監視があります。それぞれのログ監視は異なる目的を持ち、問題やセキュリティ上の脅威を早期に検出し対応できます。
SIEMツール、統合ログ監視機能、IT資産管理ツール等の社内のIT資産の保全、セキュリティ管理に関わるツールの役割を整理して、自社に最適な仕組みを検討しましょう。
関連記事:ログ管理とは?PCのログ管理方法を解説!
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漏洩チェッカー 編集部
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