Microsoft Defender(旧:Windows Defender)はMicrosoftが提供する無料のセキュリティソフトウェアです。多くの企業がセキュリティ対策に悩む中、Microsoft Defenderだけで十分なのか疑問を抱えています。本記事では、Microsoft Defenderの機能や特徴を解説し、企業のセキュリティ対策として適切かどうかを詳しく探ります。
目次
そもそもMicrosoft Defender(旧:Windows Defender)とは何か
Microsoft Defender(旧:Windows Defender)はWindowsに標準搭載されたセキュリティソフトです。パソコンの中に元々入っているので、見たことがある人も多いかもしれません。
まずは、その基本的な機能や最新の動向について、詳しく見ていきましょう。
Windowsに標準搭載されたセキュリティソフト
Microsoft Defenderは、Microsoft社が開発した無料のセキュリティソフトです。Windows 8以降のOSに標準で搭載されており、追加のインストールや設定なしで利用できる点が特徴です。
当初はスパイウェア対策ソフトとして開発されましたが、現在では総合的なセキュリティ対策ソフトとして機能しています。
ウイルス対策やマルウェア検出、ファイアウォール機能など、基本的なセキュリティ機能を備えており、常時稼働してシステムを保護します。
Windows Updateと連動して定期的に更新されるため、最新の脅威にも対応できる設計になっています。
多くの企業にとって、追加コストなしで基本的なセキュリティ対策を実施できる便利なツールとして認識されています。
「Microsoft Defender」に名称変更した経緯
WindowsOSに搭載されたセキュリティソフトは、「Windows Defender Antivirus」「Windows Defender」と名前を何度か変更してきました。そしてWindows 8以降は「Windows Defender」という名称になり、現在でもこの名前で認識している人は少なくありません。
そして2019年からは、現在の「Microsoft Defender」と改名され、「Windows セキュリティ」サービスの一部として提供されています。
この名称変更は、Microsoftのセキュリティ戦略の進化を反映しています。
Microsoft Defenderは、以前はWindows向けのみでしたが、現在では幅広い種類の機器で使えるようになりました。パソコンではWindowsだけでなくMac用の機種でも、さらにはスマートフォンやタブレットなどの携帯端末でも使用できる総合的な安全対策ソフトへと進化しました。そのため、名称からは「Windows」から変更して、社名である「Microsoft」の入った現在の名前に変更されたのです。
Microsoft 365にはMicrosoft Defenderのアプリ版の提供もある
Microsoft 365の個人向けサブスクリプションユーザーには、Microsoft Defenderのアプリ版が提供されています。
アプリ版のMicrosoft Defenderは、Windowsパソコンだけでなく、iOS・Android・macOSデバイスにも対応しています。そのため、家族で使用しているデバイスのセキュリティを一箇所で管理することが可能です。
Microsoft Defenderの特徴
Microsoft Defenderは無料で利用できる基本的なセキュリティソフトですが、実際にどのような機能を持ち、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
Microsoft Defenderの主な機能
Microsoft Defenderは、総合的なセキュリティソリューションとして、複数の重要な機能を提供しています。その主な機能は以下の通りです。
- リアルタイム保護機能:システムに常駐し、ファイルやプログラムを監視してマルウェアやウイルスの侵入を即座に検知・ブロック
- 定期スキャン機能:既存のファイルやシステムの安全性を確認
- ファイアウォール機能:不正なネットワークアクセスをブロックし、外部からの攻撃を防御
- フィッシング対策機能:悪意のあるウェブサイトへのアクセスを事前に警告
- クラウドベースの保護機能:最新の脅威情報をクラウドから取得し、未知の脅威にも迅速に対応
- サンドボックス機能:不審なファイルを安全な環境で実行・分析
これらの機能により、Microsoft Defenderは基本的なセキュリティ対策として十分な性能を発揮します。
Microsoft Defenderのメリット
Microsoft Defenderを利用する最大のメリットは、Windowsユーザーなら無料で利用できる点です。
Windowsに標準搭載されているため、別途ライセンス料を支払う必要がありません。特に、予算の制約がある中小企業にとっては、大きなメリットとなります。
また、Windowsとの高い互換性も重要です。Microsoft社製品であるため、WindowsのアップデートやOSの機能と親和性が高く、システムへの負荷が比較的低いのが特徴です。セキュリティソフトの導入による業務効率の低下を最小限に抑えることができます。
さらに、操作が簡単で直感的なインターフェースを持っています。ITに詳しくない従業員でも容易に使用できるため、全社的なセキュリティ意識の向上にもつながるでしょう。標準的なセキュリティ機能は一通りそろえているため、業務内容によってはMicrosoft Defenderのみで十分対策になり得ます。
Microsoft Defenderのデメリット
Microsoft Defenderは優れた基本機能を持つものの、いくつかの制限や課題も存在します。
まず、高度な脅威に対する防御力が、有料の専門セキュリティソフトと比べて劣る場合があります。特に、新種のマルウェアや標的型攻撃などの高度な脅威に対しては、検出率や対応速度が十分とはいえません。
また、カスタマイズ性に欠ける点も挙げられます。企業独自のセキュリティポリシーに合わせた詳細な設定や、特定の業界に特化したセキュリティ機能の追加が難しい場合があります。
さらに、有料のセキュリティソフトと比べて、機能面で劣る点もあります。すでに感染してしまったマルウェアの駆除ができない点や、メールのフィルタリングができないため、メールを感染経路としたサイバー攻撃には弱いとされています。
これらのデメリットは、企業の規模や業種、取り扱う情報の重要度によっては重大な課題となる可能性があります。そのため、Microsoft Defenderの導入を検討する際は、自社のセキュリティニーズを十分に把握し、必要に応じて追加の対策を講じることが重要です。
Microsoft Defenderだけでセキュリティは足りる?
Microsoft Defenderは基本的なセキュリティ対策として有効ですが、果たしてMicrosoft Defenderだけで企業のセキュリティ保護は十分行えるのでしょうか?
業務で使用するOSには不十分
結論として、企業環境でMicrosoft Defenderのみを使用することは、セキュリティ面で不十分な場合があります。その理由は先述したように、未知のマルウェアや高度な脅威に対しては十分といえない点や、メールからの感染を防止するのが難しい点が挙げられます。
また、企業ネットワークは複数のデバイスや異なるOSが混在する複雑な環境であることが多く、Microsoft Defenderだけではこうした多様な環境を統合的に保護することが難しいです。
特に、リモートワークの増加に伴い、社外からのアクセスセキュリティの重要性が高まっていますが、この面での対応も限定的です。
これらの理由から、多くの企業では、Microsoft Defenderを基本的な保護層として利用しつつ、追加のセキュリティソリューションを導入することが一般的です。
企業の規模・業種・取り扱うデータの重要性に応じて、適切なセキュリティ対策を検討することが重要です。
有料のセキュリティソフトとの違い
Microsoft Defenderと有料のセキュリティソフトには、機能面や性能面でいくつかの重要な違いがあります。
まず、検出率と対応速度の面で差があります。有料のセキュリティソフトは、より高度なアルゴリズムと大規模なデータベースを使用しており、新種のマルウェアや高度な脅威に対してより迅速かつ効果的に対応できる傾向があります。
また、カスタマイズ性と詳細な設定オプションの面でも違いがあります。有料のセキュリティソフトは、企業のニーズに合わせて細かな設定が可能で、特定の業界や規模の企業に特化した機能を提供することがあります。
さらに、サポート体制にも大きな違いがあります。一般的に有料のセキュリティソフトでは、専門的な技術サポートやトレーニングが提供されることが多く、問題が発生した際により迅速かつ的確な対応を受けられる可能性が高くなります。
このような手厚いサポートを、Microsoft Defenderでは受けることができません。
外部の脅威から企業データを守る方法
Microsoft Defenderだけでは十分でない場合、企業データを外部の脅威から守るために追加の対策が必要です。ここでは、効果的なセキュリティ強化の方法について詳しく解説します。
他のセキュリティソフトと併用する
Microsoft Defenderと他のセキュリティソフトを併用することで、より強固なセキュリティ体制を構築できます。例えば、Microsoft Defenderをベースの保護層として利用しつつ、特定の脅威に特化した専門ツールを追加することが効果的です。このとき、単に複数のソフトを導入するだけでなく、それぞれの強みを生かした適切な設定が重要です。
併用する際は、各ソフトの機能が重複しないよう注意が必要です。
例えば、より高度な検出能力を持つ有料のセキュリティソフトのリアルタイムスキャン機能を使用する場合、Microsoft Defenderの同機能を無効にするなどの調整が必要です。このようなバランスの取れた併用により、基本的な脅威から高度な攻撃まで、幅広いセキュリティリスクに対応できる環境を整えることができます。
社内のセキュリティを一括管理できるソフトを導入
企業のセキュリティ強化には、社内のセキュリティ状況を一元的に管理・監視できるソフトの導入が効果的です。
その際、「漏洩チェッカー」のような統合型セキュリティ管理ツールを活用することで、複数のデバイスや部門のセキュリティ状況を一括で把握し、迅速に対応することが可能になります。
「漏洩チェッカー」は、インターネットブラウザだけでなく、アプリ、さらにはUSBメモリなどのハードウェアにも効果を発揮し、不審な挙動があった場合はすぐにアラートを発信します。アクセス制限や履歴の確認等、万が一のセキュリティインシデントの際にも経路を絞り込める点も効果的です。
一般的なセキュリティソフトと比較しても価格が安い点も魅力と言えるでしょう。セキュリティソフトの導入を検討している場合、「漏洩チェッカー」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
セキュリティに関する教育を行う
技術的な対策と並んで重要なのが、従業員へのセキュリティ教育です。最新のセキュリティソフトを導入しても、使用する従業員の意識が低ければ、その効果は限定的になってしまいます。
定期的なセキュリティトレーニングを実施し、最新の脅威動向や適切な対処方法について従業員の理解を深めることが不可欠です。
教育内容は、安全なパスワード管理、フィッシング詐欺の見分け方、機密情報の取り扱い方などが主になります。また、実際のインシデント事例を用いたシミュレーション訓練も効果的です。Microsoft Defenderの機能や使い方についても、従業員が適切に活用できるよう指導することが重要です。
継続的な教育により、組織全体のセキュリティ意識を高め、人的要因によるセキュリティリスクを最小限に抑えることができます。
重大な情報を守るためにセキュリティの強化を
企業にとって、重要な情報を守ることは事業継続の要です。Microsoft Defenderは基本的な保護を提供しますが、それだけでは十分とは言えません。本記事で紹介した追加のセキュリティ対策を適切に組み合わせ、多層的な防御体制を構築することが重要です。
セキュリティ強化は一度で完了するものではなく、継続的な取り組みが必要です。定期的にセキュリティ状況を評価し、新たな脅威に対応できるよう、常に対策を更新していくことが大切です。
経営層のコミットメントの下、全社を挙げてセキュリティ強化に取り組むことで、外部の脅威から企業の重要な情報を守り、安全なビジネス環境を維持することができるでしょう。
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著者情報
漏洩チェッカー 編集部
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