リモートワークは、従業員の柔軟性を高め、生産性向上の可能性を企業にもたらしました。その一方で、さまざまな状況で働く従業員を適切に管理するという課題を突きつけた側面もあります。本記事では、リモートワークに対応するためのツールの種類や特徴、セキュリティ対策について詳しく解説します。
目次
リモートワークにおけるよくある課題
リモートワークは多くの利点をもたらす一方で、従来のオフィスワークとは異なる課題も存在します。これらの課題を理解し、適切に対処することが、効果的なリモートワーク環境の構築には欠かせません。
ここでは、企業がリモートワークを導入する際によく直面する主要な課題について詳しく見ていきましょう。
適切な勤怠管理と労務管理の複雑化
リモートワーク環境下では、従業員の労働時間の把握や適切な勤怠管理が従来のオフィスワークと比べて複雑化します。その理由は、物理的な監督の不在と、働く場所や時間の多様化です。
従来のオフィス環境では、管理者が直接従業員の勤務状況を目視で確認できましたが、リモートワークではそれが不可能です。さらに、リモートワークでは働く時間帯が柔軟になりがちです。深夜や早朝に仕事をする従業員もいれば、日中に私用で仕事を中断し、夜間に仕事を再開する従業員もいます。
また、労働基準法に基づく適切な休憩時間の確保や、深夜労働の管理も課題となります。リモートワーク環境下では、これらの法的要件を満たしているかどうかの確認が困難です。
このような課題に対して、企業は新たな勤怠管理の仕組みを構築する必要に迫られています。単なる労働時間の記録だけでなく、業務の効率性や成果の評価、従業員の健康管理まで含めた包括的な労務管理が求められているのです。
円滑なコミュニケーションの欠如
リモートワークは、チーム内の情報共有や意思疎通の効率が下がる可能性があります。
この問題の根底には、対面でのコミュニケーションの欠如があります。表情やジェスチャー、声のトーンなど、対面でのやりとりで自然に伝わっていた情報が失われることで、誤解や齟齬が生じやすくなるのです。
さらに、対面時のように気軽に話しかけることが難しくなるため、オフィスでの偶然の出会いや雑談から生まれるアイデアや情報交換の機会が減少し、組織の創造性や問題解決能力に影響を与える可能性があります。
加えてリモートワークでは、「沈黙」の解釈が難しくなります。対面であれば、相手の表情や態度から考えを巡らせていることが分かりますが、オンライン上では単に反応がないように見えてしまいます。
このように、リモートワーク下のコミュニケーションの欠如は、チームの協調性を損なう要因となりかねません。
セキュリティリスクの増大
従業員が自宅やカフェなど、さまざまな場所から企業のシステムにアクセスすることで、ネットワークセキュリティのリスクが高まります。
また、個人所有のデバイスの使用増加も、セキュリティリスクを高める要因となっています。企業が管理していない端末からのアクセスは、マルウェア感染や不正アクセスのリスクを増大させます。
加えて、クラウドサービスの利用増加に伴うリスクも無視できません。データの保存場所が物理的に分散し、管理が複雑化することで、情報漏洩のリスクが高まります。
これらのリスクは、単に技術的な問題だけでなく、従業員の意識や行動にも大きく依存します。リモートワーク環境下では、個々の従業員の判断と行動が企業全体のセキュリティに直結するため、人的要因によるリスクが増大するのです。
リモートワークに必要なツールの種類
上記のような課題解決へのアプローチとして、リモートワークツールの導入が挙げられます。リモートワークを効果的に実施するためには、適切なツールの選択と導入が不可欠です。
ここでは、リモートワークに必要不可欠なツールの種類とその特徴について詳しく解説します。
労働時間把握のための勤怠管理ツール
先述したようにオフィスを離れて働く環境では、従業員を常に管理者の下に置くことができないため、労働時間の管理が課題となります。この課題を解決するのが、クラウドベースの勤怠管理ツールです。
勤怠管理ツールは、従業員がスマホやPCから簡単に勤怠報告できる機能を備えています。人事部門は従業員の勤怠状況をリアルタイムで確認でき、労働時間の適切な管理が可能になります。
残業時間が上限を超えそうになった場合にアラートを出す機能や、従業員ごとの有給休暇の取得率をデータ化する機能など、勤怠管理に関するさまざまな機能が備わっているのです。
情報共有を促進するグループウェア
リモートワーク環境下では、セキュリティレベルを保ちつつ、円滑な情報共有を行う必要があります。そのために重要となるのが、グループウェアの導入です。
グループウェアは、文書の共同編集、タスク管理、スケジュール共有など、多岐にわたる機能があります。
グループウェアの最大の特徴は、情報の共有の円滑化とセキュリティ水準を保てるという点です。
例えば、重要な企業情報が入っているデータベースに関して、関係者のみがアクセスできるようにアクセス権限を設定することが可能なため、セキュリティが向上します。他にも、文書やスケジュールなどは共同編集・共有ができるので、チーム内で他者の予定を把握したり、一緒に作業をするのにも便利です。
グループウェアは、ばらばらの場所にいたとしても円滑な情報共有を行うのに役立ちます。
円滑なチームワークを支えるコミュニケーションツール
特にリモートワーク環境下では、コミュニケーションが大きな課題となります。チームワークを円滑に進めるには、効果的なコミュニケーションツールが不可欠です。
コミュニケーションツールは、ビデオ会議、テキストメッセージのやりとり、音声通話などの機能があり、従業員間のリアルタイムコミュニケーションを可能にします。
メールの送受信よりもテキストコミュニケーションがとりやすいだけでなく、リアクションボタンなどの機能により、従業員同士が自身の感情を簡単に相手に送ることも可能です。
また、オンラインミーティングの実施も簡単に行えるため、テキストではニュアンスが難しい内容の共有や、遠方にいる相手の顔を見ながら話すのにも役立ちます。
データと情報を守る不可欠なセキュリティツール
リモートワーク環境下では、データと情報を守るための適切なセキュリティツールの導入も不可欠です。
セキュリティツールの導入によって、不正アクセスの検知やセキュリティポリシーの一括適用が可能となり、企業全体のセキュリティレベルが向上します。
また、従業員が使用しているデバイスのアクセス履歴やログを監視できるセキュリティツールを導入すれば、従業員がきちんと働いているかを可視化できるだけでなく、危険なサイトなどにアクセスしていないかどうかもチェックすることが可能です。
このような操作ログの監視を低コストで行えるのが「漏洩チェッカー」です。ログオン・ログオフの監視やスクリーン監視などの労務管理機能や、情報漏洩対策の機能を備えています。
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おすすめのリモートワークツール
リモートワークを効果的に実施するには、適切なツールの選択が重要です。ここでは、多くの企業で利用されている代表的なリモートワークツールを見ていきましょう。
Microsoft Teams
Microsoft Teamsは、ビデオ会議やチャット、ファイル共有、タスク管理など、リモートワークに欠かせない機能が一つのプラットフォームに集約されているのが特徴です。
Teamsの魅力は、その使いやすさにあります。例えば、プロジェクトごとにチームを作成し、関連するファイルやチャットを1箇所で一元管理できるため、情報の散逸を防ぎ、業務効率が大幅に向上します。
さらに、WordやExcelなどのMicrosoft製品とシームレスに連携し、Teams上で直接編集が可能です。チームの共同作業がより円滑になります。
ほかにも、30以上の言語に対応した翻訳機能や、背景ぼかし機能付きのビデオ通話など、細かな配慮も魅力です。Microsoft 365ユーザーなら追加料金なしで利用でき、無料版も提供されているため、導入のハードルが低いのも大きなメリットといえるでしょう。
Slack
Slackは、ビジネス向けのコミュニケーションプラットフォームです。チャンネルを通じてチーム全体でオープンなコミュニケーションが可能で、テキストベースのやりとり以外に、ファイルの共有やタスク管理、ワークフローの導入なども行えます。
Slackは多数の外部アプリケーションとの連携が可能で、例えばプロジェクト管理ツールやCRMシステム、さらにはソーシャルメディアプラットフォームとも直接つなぐことが可能なため、外部の情報やアラートをSlack上で一元管理でき、業務の効率化につながります。
また、Slackの検索機能は非常に優れており、過去のやりとりや共有されたファイルを素早く見つけ出せます。情報共有とコミュニケーションに最適なツールといえるでしょう。
Google Workspace
Google Workspace(旧G Suite)は、多彩なクラウドツールを統合したプラットフォームです。Gmail、カレンダー、ドライブ、ドキュメントなど、日常業務に欠かせないツールが一つにまとまっています。
Google Workspaceは、リアルタイムでの共同編集機能を持っています。複数の従業員が同時に同じドキュメントやスプレッドシートなどのデータを編集でき、変更内容をその場で確認できるため、情報共有のスピードと精度が向上します。
セキュリティ面も充実しており、2段階認証やアクセス権限の細かな管理が可能です。さらに、Google Meetを使ったビデオ会議機能も備わっており、カレンダーとの連携でスムーズな会議設定ができます。
コストパフォーマンスも高く、通常業務に必要なドキュメントやスプレッドシート、スライドなどのツールは無料利用も可能です。導入手順も非常に簡単なため、初めてリモートワークツールを導入する企業やチームにおすすめのツールです。
特に重要なのはセキュリティリスク
リモートワークの導入に伴い、企業が直面する最大の課題の一つがセキュリティリスクの増大です。従来のオフィス環境とは異なり、リモートワークでは従業員がさまざまな場所から企業のシステムにアクセスするため、データ保護やプライバシー保護の観点から新たな対策が必要となります。
ここでは、リモートワーク特有のセキュリティリスクとその対策について詳しく解説します。
リモートワークにおけるセキュリティリスク
リモートワーク環境下では、従来のオフィス環境とは異なるさまざまなセキュリティリスクが存在します。
まず挙げられるのが、フリーWi-Fiの使用によるデータ傍受のリスクです。カフェやコワーキングスペースなど、公共の場所でのリモートワークが増加する中、安全性の確保されていないネットワークを介した情報漏洩の危険性が高まっています。
次に、個人所有デバイスの業務利用に伴うリスクも無視できません。従業員の私用スマホやPCは、企業が管理するデバイスと比べてセキュリティレベルが低い場合が多く、マルウェア感染や不正アクセスのリスクが高まります。
それ以外にも、リモートワーク環境下では対面でのコミュニケーションが減少するため、なりすましメールや不正なリンクによる攻撃が成功しやすくなるのです。リモートワークを行うにあたっては、これらのセキュリティリスクに対する十分な対策を用意することが求められるでしょう。
セキュリティ対策の難しさ
自宅、コワーキングスペースなど、さまざまな場所で働く中で、一貫したセキュリティレベルを維持することは容易ではありません。かといって、厳格すぎるセキュリティ対策は、従業員の業務効率を低下させる可能性があります。
加えて、企業がセキュリティソフトの導入やポリシーの策定などのセキュリティ対策を実施したといっても、従業員側のデバイス操作や管理によってセキュリティを突破される危険性も出てきます。
リモートワーク環境下では、個々の従業員の判断と行動が企業全体のセキュリティに直結するため、継続的な教育と啓発が不可欠です。
このように、セキュリティ水準の設定の難しさや従業員教育を含めた対策が、企業のセキュリティ対策を困難にしています。
セキュリティ対策に「漏洩チェッカー」がおすすめ
リモートワーク環境下でのセキュリティ対策として、「漏洩チェッカー」の導入が効果的です。「漏洩チェッカー」は、企業の重要な情報資産を保護し、リモートワークに伴うセキュリティリスクを大幅に軽減します。
漏洩チェッカーは、従業員のPC操作ログを自動で収集・分析し、不適切な情報の取り扱いや潜在的なセキュリティリスクを検出するツールです。
ファイルの操作履歴、Webサイトの閲覧履歴、アプリケーションの使用状況などを監視し、異常な挙動や不審な操作を即座に検知します。
漏洩チェッカーの大きな特徴は、クラウドベースで運用できる点です。そのため、従業員が使用するデバイスやその場所を問わず、一貫したセキュリティ対策を実施することが可能です。実際の企業では、オフィス勤務とリモートワークを併用する「ハイブリッドワーク」環境下でも、シームレスなセキュリティ管理を実現しています。
また、漏洩チェッカーは単なる監視ツールではなく、従業員の生産性向上にも寄与します。操作ログの分析により、業務プロセスの非効率な部分を特定し、改善につなげることが可能です。
リモートワークの普及に伴い、企業のセキュリティリスクは日々増大しています。漏洩チェッカーの導入は、これらのリスクに対する効果的な対策となるでしょう。
セキュリティと生産性の両立を図りつつ、従業員が安心してリモートワークに取り組める環境づくりに、ぜひ漏洩チェッカーの活用をご検討ください。
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漏洩チェッカー:https://stmn.co.jp/roei-checker/
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著者情報
漏洩チェッカー 編集部
従業員が安心して働ける環境を提供するための、IT資産管理、情報漏洩対策、労務管理に関するコンテンツを発信しています。
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